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高次脳機能障害のある義母との二人暮らし│妻の親(義両親)介護日記

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50代親(義両親)の介護
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50歳のおじさんがリモートワーク支度をして東京から義父母が暮らす熊本に到着したのは日曜日の朝。

義父が眼の手術後リハビリを経て退院するまでは、約1週間程は高次機能障害(要介護度2※)を持つ義母との二人暮らしである。

介護など経験したことのない私に義母の介護など本当に務まるのだろうか。

素人の私が作った食事など毎日食べてくれるのだろうか。

夜寝ているときに徘徊などしないだろうか。

リモートワークとはいえ、仕事と介護の両立など本当にできるのだろうか。

妻の状態も気がかりだったこともあり勢いで介護に来ることとなったものの、ここに来てようやく現実を突きつけられたように不安が噴出してきた。

一方で今更ながら思ったことがある。

やはりこれだけの大きな決断は、あれこれ深く考えてからだと不安のほうが大きくなり、リスクを回避しようと思えば結局何もできなくなる。だから優先順位を決めた上で決断してからは、その都度課題に対して対処していけば良い。そうしないと何も前に進まない。

だからそうなってから考えるようにしよう。

料理も出してみて味を変えていけば良いし、介護で分からない部分は義兄の奥さんに聞きながらやれば良い、仕事だって何とかなるはず。

そう考えを切り替えて空港からバスで市内へと向かった。

40分ほどのバスの車中では義母の症状について、何ができて、何ができないのかを簡単に一般的な情報を整理し頭に叩き込んでおくことにした。

※要介護2とは(どのような状態か)?

  • 日常生活の維持・機能が難しい(料理など手順や計画性を伴った作業はできない)
  • 自分で身の回りの管理が困難で、生活をするうえで見守りや介助が必要
  • 要介護認定を受けている。
  • 身だしなみを整えたり掃除をしたりするといった身のまわりの行動にも、見守りや介助が必要な場合がある(完全に一人で何もできないわけではない。義母は簡単な着替えや排泄は一人で行うことができていた)。
  • 体の機能低下により足腰が弱っているため、立ち姿勢の維持や歩行などに介助が必要(転倒防止のため家の中の玄関やトイレ、廊下、風呂場などには手すりや滑り止めの配置が必要)
  • 要介護1(2よりも軽い)との違いは、要介護1では食事などの日常生活のほとんどを自分で行うことが可能という点。
  • 要介護3になると、家事全般は一人で行えず、入浴や排泄などや洋服の着替えなどの身のまわりのことを行うときにも全面的な介助が必要な状態。
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義母との再会

義母は一人では食事や身の回りのことができないため、義父が入院してからは知り合いや兄弟の家を転々としていた。

私が着いた日はそれも3日目となり再会した時は義母も自宅を離れ外泊が続いていたことで、かなり疲れが溜まっているように見えた。

私が30代の頃の義母は実家で塾を営なみ生徒を何人も抱えながら、いつもはつらつとして笑顔の絶えない、利発な女性であったが、その頃からは想像もつかない程手足は痩せ細り、無表情でこれが本当にあの義母かと思うほどであった。

人は必ず老いるもの。そういった現実をその瞬間、改めて思い知らされたのであった。

自宅は意外にも片付けられていた

自宅に到着すると部屋は思いの外片付けられていた。

私が来る前には定期的に義母の兄弟が交代で手伝いに来て部屋を掃除してくれたのだという。

また、電化製品や洗濯機には使い方の手順が付箋に書かれはられていた。

マメな義父が入院直前に私が来てから困らないように配慮してくれたのだ。

先ずは寝る場所と仕事ができる場所を確認し、冷蔵庫の中と調理器具のチェックを行い、足りない者を頭にインプットした。

少し休憩してから日が落ちない内に明日からの準備を整えておくことにした。

早速義父の車を運転し近くのスーパーに買い出しに出た。

食材の買い出し

事前の妻からのヒヤリング情報によれば、義母は朝食はご飯に生卵、味噌汁と漬物少々とそこまでの量は食べない。肉よりは魚が好き、味は薄めが好みということで、味噌汁の具材と卵、豆腐、納豆、野菜、肉とカレールー、そうめん、つゆをとりあえず2~3日分を目安に3,500円程購入した。

義母に聞くと、これまでは平日はお昼前に1食分600円の惣菜(おかずのみ)1日2食分が契約している弁当屋から毎日届くらしく、義母と義父はそれをおかずの足しにして昼と夜を分け合って賄っていたようですある。

それが届くということであればそこまで追加で用意する必要はないかもとひとまず安堵した。

ただ毎食温かい食事は提供したい。必ず1品以上は手作りの料理を振る舞うように心がけた。

先ずは義兄のお嫁さんとのコミュニケーション

初日の昼は近くの義兄家に挨拶も兼ねて立ち寄り、長崎ちゃんぽんをリンガーハットでテイクアウトしてみんなで食卓を囲んだ。

いつもは義兄のお嫁さんが自身の育児とアルバイトの傍ら、義父母の病院の送迎や介助をしてくれていたので義母のことについては一番理解しており、注意点などを事前に聞いておくことにした。

また、今回の介護帰省の目的の1つに、お嫁さんの話を少しでも聞いてお嫁さんの気持ちやストレスを和らげること、一時期でも負担を取り除くことがあった。

それこそ介護者が倒れたり壊れてしまっては本末転倒である。

頼れる先を確保しておくことが何よりも重要で、それは私だけでなく、普段義父母に接してくれているお嫁さんにとっても、万が一何かあれば私が助けになるというメッセージを贈っておくことで少しでも気が楽になる選択肢を持っておいてほしかったためでもある。

初日はこじんまりとした夕食

その日の夕食は、義母も義父の入院のバタバタと外泊が続いたことで疲れが溜まっており、あまり食欲もないということでそうめんをさっと作り二人で食卓を囲んだ。

風呂の準備をして先にシャワーだけ入らせてもらいその日は早めに就寝することにした。

明日からは平日となり仕事と介護の両立がスタートする。とにかく義母を不安にさせないよう自信を持ってやりきるしかない。そう誓って眠りに入った。

その日はとにかく私も早朝からの移動や対面など急激な環境の変化で疲れがあったのか、瞬間で深い眠りに付くことができた。

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