前回の役員面接から2週間後、ITベンチャー企業の社長面接の日程連絡がエージェントから入った。
一方、50代で開始した4度目の転職活動から1ヶ月半が過ぎようとしていた。
その頃には面接にも慣れ、メインで動いてくれていた転職エージェント3社から紹介を受けた企業の面接も全て最終段階まで到達していた。
他の2社もそれなりの企業であり、1つは親会社が携帯キャリア大手の1核でありグループ会社の新規事業会社CEOポジション、1つは約30以上の新規事業を展開し急成長を続ける300億円企業のCOO室ポジションであった。
その2社の最終面接を先に受け、最後にITベンチャーの社長面接を受けられるよう日程調整を図ることとした。
残りの2社の感触も悪くはなかったことで心に余裕を持って面接に臨むことができた。
社長室での最終面接にド緊張
最終面接は平日の20時にオフラインで実施することとなった。面接場所は本社社長室。受付を済ませると人事部の社員が社長室へとアテンドしてくれた。
実は今回の転職活動は全てオンライン面接で自分のペースで進めることができたが、オフラインは初めて(40代での転職活動以来)であった。ぶっつけ本番には一抹の不安もあった。
部屋には革張りのソファーと豪華なデスクが設置され本棚にはびっしりと経営関連書籍が並んでいた。スケルトンの窓から外眺めると東京都心の夜景が目の前に広がっていた。
5分ほどするとノックがなり、社長が現れた。
ここぞという場面であってはならない失態
冒頭は自己紹介と経歴を簡単に説明してほしいということで話し始めたが、緊張していたせいか何故かいつも通りうまく説明ができない。社長の質問にも臨機応変に回答したつもりがしどろもどろになり自分でも何を言っているか分からない。やばいこのままだと持たない、、そう思った。
完全に雰囲気に飲まれてしまったのだ。社長もあまり話すタイプの方ではなく会話が続かない。
そして30分を過ぎ、沈黙が続いた頃、、自分から遂にこう切り出してしまった。
「社長もご多忙と思いますので本日はこの辺りで終了できればと思います。」
なんと自分から面接を終わらせてしまったのである。
社長も私の申し出に応じて面接は打ち切られることとなった。
面接中会話は一切弾むことはなく、無念の終了となった。。。
社長はエレベーターまで見送ってくれたが、エレベーターのドアが閉まった瞬間。
終わったな、、、と直感した。