５０代になり介護という現実と向き合ったことで、国内における義父母の介護の実態など様々な状況を垣間見ることができた。
仕事側マーケティング観点でGoogle（検索エンジン）を利用する機会が多いが、介護という領域で角度を変え日本の現状や実態を推察してみることとした。
調査をする中でも印象的であったのが、「義父母介護」という検索に対してGoogleのサジェストキーワードとして「離婚」との組み合わせが多いことであった。
義父母介護関連キーワードの検索数から見え隠れする日本の実態
その他検索数として多い組み合わせとしては、
【義父介護 離婚】
義理の父 介護 したくない
など女性（おそらくお嫁さん）が夫の両親の介護をイメージした際の検索ニーズが見え隠れする。
一方で、それら女性が検索したであろう介護系キーワードと比較して意外にも少なかったのが、
妻の両親介護
妻の親介護
といった、夫が妻の両親を介護することをイメージした検索ワードであった。
つまり、日本ではまだまだ介護というのは女性が行うもの
という固定概念や考え方が浸透しているのではないかとも推察される。
夫は仕事をし、妻は家で介護をするという既成概念はもはや通用しない
５０代という年齢は一般的には団塊ジュニア。団塊の世代を介護する年齢にも差し掛かっている。
団塊の世代のサラリーマンは２４時間３６５日、会社や週末もゴルフなどの付き合いで働き続け、家にお金を入れる。子供の教育や親の介護など家のことは妻が担う。
それでバランスが保たれていた？（と思っているのは男性だけなのかもしれない。実はバランスが崩れているから検索にも現れているのではないかとも感じた）のかもしれないが、
もはやそれは時代錯誤ではないだろうか。
仕事も男女平等であれば、子供の教育や介護も男女平等であるべきではないのだろうか。
妻が会社で出世して夫が家を守っても良いであろうし、今でこそ、リモートワークが成立する時代になり、それこそ役職者であれ、出世を目指すビジネスマンであれリモートワークで効率的に業務をこなし成果をあげられるインフラや仕組みが整備されているのである。
私から言わせれば、本当に稼ぐべき、仕事ができるビジネスマンこそ、子供の育児や教育、親の介護を生産性高く、効率良く並行してこなすことで、両立ができるのではないのだろうか。
もはや仕事が忙しいから、週末はゴルフや接待があるなどといったことは親の介護を妻に押し付ける理由にはならず、
自分がビジネスマンとして仕事が効率良く捌けないのを露呈させているにすぎない。
増加傾向の熟年離婚の原因にも義父母の介護が
今や国内で離婚する夫婦の５組に１組は熟年離婚という実態調査がある。
熟年離婚の理由ランキングでは男性も女性も「性格の不一致」がダントツの１位である。
実はこの「性格の不一致」は広義であり、詳しく中身を見てみると、
「子供の教育方針の違い」
「それぞれの親の介護に対する考え方」
「両親との同居、別居に対する考え方」
などが主な理由となっている場合が多い（総称して積み重なって「性格の不一致」となるらしい）。
つまり妻から見れば
「義父母の介護」「したくない」「離婚」
という組み合わせのワードの検索数の多さが示す通り、「介護に対する考え方の不一致」が離婚の結構な要因となっていることが実は多いという実態があるのである。
では、そうならないためにはどうしたら良いのだろうか。
親の介護が生活の身近にある５０代であれば老後を楽しく過ごすためにも真剣にそういった（熟年離婚の）事態を回避するための対策を考えたいところである（もしかすると女性は、離婚自体が介護だけでなく夫からも解放される唯一の解決策として捉えているのかもしれないが、、、それは一旦置いておいて）。
最終的には義務ではなくどうしたいかだけ
かと言って、それぞれの家庭にはそれぞれの考え方や生き方がある。
自分はたまたま若い頃に妻の両親に本当にお世話になったことで、生きている内に少しでも恩返しがしたい、それは仕事をしながらでもできるし、今しなければもうできない（後悔するはず）と考えできる限りの介護を引き受けることにした。
一方で妻も夫も共働きで二人共にリモートワークが許されていない環境にある家庭もある。そういった場合は介護したくても物理的にできない（政府はそういった働き盛りの４０～５０代共働き世代にこそ介護のためのリモートワークの推奨制度の確立や経済的支援を行うべきである）。
最終的には一般的には、世間はこうだからどうしなければならないかではなく、その家族、家庭、夫婦がどうしたいのかよく話し合うことが重要であると感じる。
検索ワードにも組み合わせとして多かった
「義父母介護 したくない」
のであれば介護されるほうも不幸だし、無理に迷惑をかけてまで介護はしてほしくはないと思うはずであろう。
そういった際は介護施設や家事代行といった選択肢を家族で話し合いながら採り入れていけば良いのではないかと思う。
１つだけ言えるのは、親も本人も介護されたくてされている訳ではなく、自分達の子供が
「義父母介護 したくない 離婚」
という究極の選択することを望む親は絶対に居ないはずである。
よく家族間で話し合ってその時々の最適解を選択しいってほしいと思うし、少なくとも自分はそうしていきたいと思う。
