30代で転職した二社目は入社したタイミングが上場直後ということもあり、ストックオプションを行使して退職する古株の社員も多く、入社直後から彼らが担当していた30社近いクライアントを一人で担当するはめに。当然同じように対応できるわけもなくクレームの嵐。解約も相次ぎ、会社の売上や株価はピーク時に比べ下がる一方であった。
そんな話面接では一切聞いてない!と当時は思ったが後の祭り。マネジャーポジションで入社したが、仕事量やベンチャーのスピード感含めた環境の激変にからだと心が適応できず半年で体調を壊し役職を返上。翌月から新卒社員と横並びで新規営業部で飛び込み営業から再スタートとなった。
結果的に自身を短期間で鍛え直す良いトレーニングとなった。
多くの社員が沈みゆく船から降りていくのを横目に見ながら、一方では役職もポジションも空席が目立つようになり、できないながらそこを埋めるべく短期間で昇進できたというラッキーな側面もあった。
結果的に10年近くの歳月が流れたが30代後半には、当時タイミング良く空きが出た部長職のポストに収まることとなった。
”本当に今の自分に役職に見合った仕事ができるのか?”は杞憂
着任した当初は、
まだその役職は自分には早いのでは?
本当に務まるのか?
といった不安ばかりであったが、多忙な中そんなことを深く考える余裕もなく、ただただその日その日をこなすことに専念してきた。
しかし、今考えれば、その役職やポジションがビジネスマンとしての素養やスキルを引き上げてくれた。
「役職が人を創る」
という名言をはまさにそのことだと実感した。
その後は役職も年収も順調にあがり、都内に新築マンションを購入することもできた。
30代後半には会社の海外進出もあり、東アジアへの海外赴任も経験できた。当時は三人目の子供も生まれたばかりで、毎月飛行機で片道8時間の帰省フライトは精神的にも体力的にもきつかったが、今思えば、たった3~4年程度での見知らぬ国での法人運営経験が、自分の今までの考え方や常識を否定する良い機会にもなり、マインドリセットすることもできた。
結果、そのたったの数年間の経験が次の転職活動の際に書いた職務経歴の厚みと面談で嘘偽りのないリアルな実話を語ることができたコアな部分となったというのは言うまでもない。
そうして経験を積んでいる間にあっという間に40代前半に突入した。一方で同じ会社のままで年収を100万円単位で上げるには社長の次の取締役ポジションにまで上り詰めるしか方法はなかったこともあり、10年ぶりに3度目の転職活動を再開することとなった。
この岐路においてもファーストアクションが40代での転職結果を大きく左右することとなった。